このページでは黒檀の方の象嵌を紹介していきます。

白木と同じように下のスケッチを頭に入れて各パーツを作っていきます。

各象嵌の意味合いを少々。下のスケッチとは少々変わっていますので、実際の記事を見ながら読んでいただければと思います。

柄の後ろ(刃と反対側)はカレンダーを表すように作りました。
三日月の周りに30個の刻みを入れます。これは1ヶ月の「日」を表現します。
その周りに12個の貝を配して「月」を表します。
月は白蝶貝とアバロンで作りますが、このうち5つをアバロン、7つを白蝶貝でつくります。
一番上を1月と して、3月、5月、7月、10月を「節」としてアバロンを配します。
30日×12ヶ月で360日、これに節の月に1日をプラスすると365日で1年を表せ ます。
月の周りの四隅に4つの石を配し「年」を表し、4つの石で4年を表します。
3つをハウライト(白い石)、1つをターコイズで作ります。
月の時と同じにター コイズの年に1日を足すと閏年を表す事ができます。

柄の前(刃側)にはフクロウを象嵌します。フクロウはアイヌなどでも狩猟の神として崇められていたそうです。
あと、フクロウの上にコガネムシ(スカルベ)を象嵌します。

三日月のパーツは前ページ(白木)の方でチョット紹介していますので、ここからいきなりのスタートです。

シャーマン2

黒檀1 三日月のフローライトを埋める穴を彫ります。
黒檀2 埋まり具合を試しながら彫っていきます。
黒檀3
月の周りのスジ彫りを入れていきます。
これが決まらないと、この外に入れる「月」の位置が決まりません。

当初は左の写真の様に組ヤスリでスジ彫りしていましたが、後半からタガネやビュランを使ってスジ彫りしています。
黒檀4
「日」の周りに入れる「月」の貝を切り出しました。
小さいのを成形しますので、自分の爪も一緒に削ってしまいます。かなり深爪になって、痛い思いをしました。

冒頭に書いた通り、白蝶貝を7つ、アバロンを5つです。
黒檀5
上から並べる貝の順番を決めて、その型を写して彫ります。
黒檀14
月の周りに入れる「年」の石を削ります。
この石はハウライトという石ですが、結構柔らかく、ダイヤモンドのヤスリでサクサク削れます。
写真には載せませんが、ターコイズも1つ削り出します。
黒檀6
同じく型を写して彫ります。
黒檀8
「年」の石を埋め込み接着します。
これで、カレンダーの所は一段落です。
黒檀9
次は刃側のフクロウを作ります。
普通のアワビとアバロンの組み合わせは既にいくつもやっているので、ここでは、黒蝶貝を使いたかったのですが、私の身近で原貝を売っている所がありませ ん。ネットも良いのですが、コンテストの〆切に間に合いそうもなく、色々物色してみた結果、ボタンに使われている黒蝶貝を使う事にしました。
ボタンは以外と安く4つ入って150円くらいだったかな?。さすがに大きいボタンは1つで1000円くらいしてましたが、小さいバーツなので直径1cmく らいので十分です。
このボタンを糸ノコで切り出します。
黒檀10
ヘビ等と同様に型をトレーシングペーパーに取って、パーツを切り出していきます。
胴体が黒蝶貝。羽根と目、クチバシ、足の所は普通のアワビ。尻尾はアバロンです。
黒檀11
黒檀の方に形を彫ります。
紹介していませんでしたが、フクロウの上に入る黄金虫(スカルベ)は瑪瑙から切り出しています。
黒檀12
こうやって作業を羅列していくと、何かいっぺんに進んでる様ですが、2週間くらい掛けてやってます。ので、パーツが何処かに行かない ようにケースに収めておきます。
黒檀13
このフクロウは埋め込む貝とスジ彫りが接するので、パーツを接着する前にスジ彫りをし ていきます。
スジ彫りはタガネと糸ノコの折れた刃を使います。
スジ彫りは判ると思いますが、糸ノコの刃は…。タガネでスジ彫りした後に形を整えるのと深さを増すために使います。
黒檀14
スジ彫りが終わったら各パーツを接着します。

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