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石器風第4弾で作製したナイフ「シャーマン」です。

石器の風合いも何となく満足行く形になってきたので、スペシャルバージョンとしてナイフコンテストに出品しました。作品名は「シャーマン」です。
結果はスルーしましたが、ナイフマガジン2012年2月号に掲載されました。お年玉を貰ったように嬉しい話でした。

石器時代(縄文?)の呪術師が儀式用に持つ様なナイフをイメージして作りました。

今回は象眼にたくさん時間を費やしています。柄の象眼とケースの作製だけで3ヶ月以上掛かっています。
ページの最後にも書きましたが、この後の象嵌およびケースの記事は長大になるかと思います。
一度での作製が難しいため、今はナイフ本体の作製部分のみの紹介とさせて頂きます。
できるだけ早めに続きの記事をアップします。

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いつものように鋼材から切り出していきます。
何本か一緒に切り出します。今回のシャーマンで使うのは左側の小さい方です。右側の大きいのは第5弾で使用しています。

鋼材はいつもと同じ440Cです。厚さ5mmから切り出します。
穿孔は2mmのビットを使っています。途中で1本折れました…。

余談ですが、右の鋼材の切り出しで、直線部分(右端)は穿孔をせず直接鉄ノコを引いてます。
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無事切り出し完了です。(右の小さい方です)
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いつもと同じく、ゴリゴリと手ヤスリで成形していきます。

成形ついでで3本まとめて処理しました。
一番左のものです。
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さて、グラインドに入りますが、今までとはチョット違うやり方を試してみました。結果はかなり作業が楽になったと思います。
鉄ノコであらかじめグラインドラインを当たりとして切り込んでしまいます。

写真見ていただければお分かりの通りです。よく丸ヤスリでやる方法がありますが、鉄ノコの切れ味はヤスリ以上のモノがありますから、あっという間に当たり の削りができてしまいます。1本引くのにだいたい1〜2分くらい。10本引いても30分掛かりません。

ピッチは細かい方が次の工程のヤスリでのグラインドがとても楽になります。
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手ヤスリでグラインドを始めます。
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こんな感じで鉄ノコの跡が無くなってきたら、グラインドの修了間近です。
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完全に鉄ノコの跡が無くなりました。
あとは微調整でケガキのラインまで削っていきます。
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今回は両刃のブレードにするので反対側もグラインドしていきます。
両刃は銃刀法で5.5cm以下とされているので、今回のブレードは4.5cmです。
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反対側と同じ要領で削っていきます。
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この後、石器風の削りを掛けるのですが、センターをしっかり出しておかないとバランスがおかしくなってしまうので、慎重に左右対称に なるようにします。
あと、この裏面もあるので上下左右対称と言った方が良いかな?。
4面もあると結構大変ですね。
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で、石風の削りをします。最初は大きめのルータービットです。
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これに、中くらいの、小さいのとルータービット を変えて削っていきます。
石の風合い出すように、石のイメージをしっかり…。
石の真ん中辺りは粗目(大きめ)の削り、エッジ部辺りは細かい(小さい)削りとしていくと感じが出てきます。
だいたいこんな所で良い感じと思います。
裏面も同じ様な感じで仕上げていきます。
※せっかく5mmの鋼材から削り出したのですが、削り過ぎ?で結果3mm厚になりました…。

削り終わったら、このまま焼入れ処理に出します。
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工程が飛んで申し訳ありません。
焼きから帰って来たあと、黒染め処理をします。
黒染めは薬品(ステンレス用黒染剤)を使って処理します。

刃の下の木材は、柄の部分に使う黒檀とハードメープルです。
この段階では、テールに入れる水晶をスモーキークォーツにしようと思ってました。奥のオレンジの塊はオレンジカルサイとという石です。後の象嵌で使用しま す。

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柄に埋め込ませるための溝彫りをします。
少々楽をさせてもらいます。ルータービット(スパイラル状)をボール盤にセットして高さを調整。バイスに挟んだ材料を押し付けて溝彫りをします。まあ「な んちゃってフライス盤」です。あまり変な負荷掛けてボール盤がおかしくならない程度にユックリと。また、1回に削る深さは1mm程度と少し少し進めていき ます。時間掛かるようですが、手(彫刻刀等)で彫るより楽で速くてキレイです。
コチラは黒檀ですが、もう片方のハードメープル(以下「白木」と略します)も同様に溝彫りします。
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また工程が飛び気味です。
溝彫り後にだいたいの柄の形を成形します。

余談ですが、円筒状の物を削りたかったら、四角から八角形、十六角形と面を増やしていきます。径にもよりますが、普通のナイフ程度の径であれば十六角形に なったらペーパー掛けて丸めると奇麗な円筒ができます。大きめの物でしたら(この後作るケース等)もう一つ上の三十二角形にしてからペーパーを掛けます。 逆に10mmくらいの物であれば8角形からペーパーでキレイに円筒ができます。

この後、もう少し削り込んで円筒形に仕上げます。
この段階では、白木と黒檀は接着しません。

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上の写真からの間で、東◎ハンズさんで「タンジェリンクォーツ」なる物を発見。スモーキークォーツよりカッコいいの変更しました。

石を埋め込む穴を彫っていきます。彫刻刀でチマチマと。削り過ぎると土手が薄くなって強度が出なくなります。かといって厚くてもカッコ悪いので良い加減 で…。
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彫り終わるとこんな感じ。
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2つ合わせて石を入れてみます。合わせに浮きが無く、石が少しカタカタ言うくらいが、ちょうど良いかと思います。
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それぞれに溝彫りが終わった黒檀と白木です。
この後、先ほど言った様に十六角形まで削り、丸めていきます。
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さて、ここで気が付いたのですが、石器風=原始 時代…ということで、ピッタンコにキレイに出来てたらオカシイですね。
イメージは「拾った色の違う木を重ねて、間に石器とお守りの石を入れ込む」という感じなので、黒檀と白木の合わせ目がピッタリいかない様に面取りと凹みを 付けていきます。あまりやり過ぎない程度、ワザとらしくならない程度に削ります。
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で、こんな感じです。ピッタリと合わないようになりました。
あとは象嵌して感じを見ながら調整をしていきます。

さて、この後の象嵌がとてもとても長くなりますので、ページを分けます。

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