オフコーポレーションのペンキットを使っています。 私のペン作りでは、このペンキットをそのまま使いません。 この中の芯を繰り出す機構とインナーパイプのみ使用します。 |
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一応、ペンキットには、こんな解説書が付いてきます。 けっこう細かく丁寧に書かれており、色々道具は入り用になりますが、この説明書通りに作れば木軸のボールペンが作れます。 |
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いきなり焼き鈍しから入りますが、チョット適当な写真が見当たらないので…。 銅(または真鍮)のパイプを適当な長さにカットして、端面を整えたのを材料として加工していきます。 ちなみに、私はペン先側が75mm、尻側が60mmで作っています。 パイプの径は8〜12mmまで色々使います。 |
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焼き鈍しをした後、芋鎚でカチカチと叩いて絞って行きます。 私の金床はレールの切れ端です。 40kgレールかな?、かなり小さいレールです。 ちなみに、床面を最初きれいに磨いて凸凹が無い鏡面にしましたが、打ち損じで色々傷付きこんなアバタの状態になっています。 |
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少しづつ絞って行きます。 だいたい1回の焼き鈍しでφ0.5mmくらいづつ絞ります。 |
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何度も何度も焼き鈍ししては叩いてを繰り返します。 銅で完全に絞るまで10回くらい、真鍮だと更に多く焼き鈍します。 |
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こんな感じで絞って行きます。 |
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銅(真鍮)は叩いて加工していくと、加工硬化で材がかなり硬くなります。 加工硬化を起こしているのに、そのまま叩いてしまったり、先を急ぐあまり、強く叩いたいたりすると先端が割れてしまいます。 写真は判り辛いですが、口金の先端1mmくらいが割れてしまっています。 |
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こういう場合、ここまでの加工が無駄になってしまうので…それは勿体無い!。 ということで、先割れした部分を切り取ります。切り代も最低限にしますので、だいたい割れたサイズと同じ1mmくらいカットします。 カットして判るのですが、絞って行くと、元々0.5mm厚のパイプが1mmくらいの厚みになっています。絞って材が寄り集まった結果ですね。 |
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口金側はリフィルの径に合わせて(このシリーズは2mm径)絞りを止めます。 ちなみに、2mmより若干細めに絞って、細い丸ヤスリで削って穴の径を調整します。 尻側は絞って絞って、完全に穴を閉じてしまいます。 写真は閉じる寸前の状態。 |
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こちらが完全に閉じた状態。 閉じた所をルーペで覗いてみると、ヘソ見たいのが真ん中にあります。 |
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絞り加工が終わったら、化粧鎚を入れて行きます。 (化粧鎚って私は言ってますが、私の造語かもしれませんのでご注意下さい。) 絞りの終わった材料を一度ピカピカに磨いてから、化粧鎚を打って行きます。 この瞬間がけっこう楽しい時間になります。 |
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スベスベのペン軸も良いですが、鎚目が入る事で、微妙な凸凹ができて手に馴染む感じになります。 |
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インナーパイプを造ります。 色々な径のパイプを組み合わせて造ります。 一番内側のパイプはペンキットに付いてきたインナーパイプです。 ペン先側は重みを増すため真鍮と銅でインナーを造ります。 尻側は重心を低くペン先に持って行きたいので、軽く造ります。アルミのパイプの組み合わせです。 これを接着してインナーは完成。 接着剤が固まったら本体に接着してペン軸完成となります。 |
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あとはペン先側に芯の繰り出し機構を組み込んで完成となります。 この工程も写真が無いのですが、他の木軸ペンの作り方と同じですから、木軸ペン作製を紹介している他のサイトなどを参考にして下さい。 これは鍛金のページでも紹介していましたが、完成したパーツに錫引き処理をしたペンです。 径は12mmの銅パイプから作っています。 |
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ちなみに、最初の頃はこんなパイプの組み合わせだけでペンを作っていました。 2本ともにアルミのペン軸です。 この状態で市販されているペンもありますが…… |
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もう1つオマケで、ボルトアクションペンを造る時も、鍛金加工をしています。 口金部分を成形するために叩いて絞り、肉厚になった所を削って成形します。 本当であれば、金属用旋盤で加工するべきなのでしょうが、私は持っていないので(そのうち購入予定)、現状はボール盤に銜えてヤスリを当てて加工していま す。 この加工方法は本来の使用方法から逸脱しており、けっこう危ない作業ですので、真似はしないで下さい。 |
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こちらはボルトアクション用に加工したペン軸の鍛金加工が終わった状態です。 これに溝を切って、尻側にボルトを組み込めば完成です。 |